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2007年04月02日

☆最近の読書28 『地域再生の条件』本間義人/著 岩波新書

31832603.JPG 各地の「まちづくりの実例」が多数紹介されています。実際、まちづくりに携わっている人達は、本書で紹介されていることの多くを知っていることでしょうが、それらは、おそらくなにかの講演会や会合などで知ったことでしょう。いわば、耳学問で承知していることが多いと思いますが、やはり、実際自分で読んで考えるという作業は欠かせないものと思います。そういう方にぜひ読んでいただきたい本です。わたくしはと言えば、ほとんど初めて知る内容が記されていて、各地のまちづくりの実践集として再読も視野に入れて、ここに記しています。

 まちづくりという作業は、志がある人がまず実践し、そして、感心がある人が実践に携わるか、あるいは、このような書物で知って考えるか、それぞれ人によって違いがあって当然でして、自分のできるところから入っていけばいいものです。まず、書物で入っていく人にとっては、最適な書物といえましょう。

 これまでの中央官庁の官僚が作成してきた計画・実行はほとんどが失敗の連続で、しかも悪いことに失敗から教訓を学ばないのが彼ら官僚の実態のようです。このようなことは、本書で何度も指摘されていることです。彼らに頼るのでなく、自分の頭で考え、自分で調べ上げて、地域の実情にあった方策を考えることが、大事なことだと何度も指摘があります。私も、本書を読んで一歩一歩考えを進めていくつもりです。

 私が本書を読んで印象に残った箇所は、同じ閉山した産炭地で好対照を示した北海道夕張市と福岡県田川市です。夕張市は、ご承知のように約632億円もの負債を遺して「破産」しました。金をかけるだけかけて(当然国の後押しに乗ってしまった面もあります)見事な破産!! 他方、田川市といえば、国に対して、異議申し立てと要求を繰り返しながら地域づくりをねばり強く続け、一定のまちづくりを成功させている市でして、好対照です。まちづくりというのは、基本的な方針(グランドデザイン)を作るのとそれを主体的に進める人材の知恵とねばり、これらが相まって実現できるものだ、というのが本書から読み取ったことです。

 他にもいろいろ書くことがあるのですが(公共的交通機関の重要性を「人権」の観点から論じているところなどや、究極的なまちづくりは高福祉的なまちづくりだということ等については、またの機会に書いてみます)、最後に北海道富良野市の観光収入が300億円にのぼるということを記して筆を置きます。知恵と実績を積み重ねればすごいことができる、という実例が富良野の観光!

本の内容

少子高齢化や過疎化などを背景に、多くの地域が衰退しているなか、自治体と住民が知恵を出し合い、個性的なまちづくりによって活性化に成功している地域が存在する。これまでの地域政策の問題点を明らかにし、地場産業の復興、持続可能な地域づくりなど、地域が真に再生するために必要な条件を、豊富な事例を示しながら提言する。

目  次

第1章 なぜ、地域再生なのか
第2章 人権が保障された地域をつくる
第3章 地場産業で生活できる地域を作る
第4章 自然と共生し、持続可能な地域をつくる
第5章 ヨコ並びでない地域をつくる
第6章 住民の意思で地域をつくる
第7章 地域再生に向けて

posted by 永井花風 : 2007年04月02日 00:15 | コメント (0) | トラックバック (0) | 読書・本 (68)

☆最近の読書28 『地域再生の条件』本間義人/著 岩波新書 (2007年04月05日 22時19分)
☆最近の読書24 『ウェブが創る新しい郷土 地域情報化のすすめ』丸田一著 講談社現代新書 (2007年02月28日 04時01分)

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